地方という事もあり、お客さんも満員というほどではありませんでした。
ステージが始まり、衝撃を受けました。
「65歳からの“一歩”という意味を込めてアルバムを作りました。」というMC。
♪毎日の事が、普通の事が、どんなに大切で幸せなことか。
♪後ろ向きでもいい。前に進み出せれば…。
♪“こんなもんか”と天を仰ぐより、次の一歩踏み出す。
♪精一杯生きる、なおも生きる。恥ずかしくないように。
歌詞のひとつひとつが、まるで今の自分に問いかけるように心の中に入ってきました。
そして、
汗を目一杯かきながら、気持ちを込めて、お客さんにひとりひとり伝わるように歌う姿。
「こんな60代の人がいるのか!」
そんな歌を聴いているうちに、ずっと心の中でわだかまっていたものが、溶けていくのが自分でもわかりました。
「俺はこのままではいけない。もう一度、精一杯…力尽きるまで自分の仕事を全うしよう。」
もし、このステージを観なければ、もし、あの時、オフコースが車でかかっていなければ、そして、もし、この日、この場所で鈴木さんがライブをやっていなければ…
大袈裟な話ではなく、僕は今頃、わかみやクラブに居なかったかもしれません。
(小林)
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